「玉のりおぢや」シリーズ第５弾「slide-スライド-」

今年はホントに暑うございますね、ワタシも参っておりまする。そんな夏本番を目前に「玉のりおぢや」シリーズ第５弾「slide-スライド-」のご紹介でございますよ。

「玉のりおぢや」シリーズ第１弾から前作第４弾までのｎｅｏｎ（ネオン），ｐｌｕｓ（プラス），ｄｏｕｂｌｅ（ダブル），Ｘｉｎｇ（クロッシング）は、すべて糸の状態で染めておりましたが、最新作の第５弾「slide-スライド-」は、経（タテ）糸を組んだ状態で糸を染めて、その経糸をスライドさせて柄を作りました。実はこの柄、「玉のりおぢや」シリーズが始まる2007年、ハシヅメが一番最初に作ったデザインだったのです。つまりこの柄を作りたくて「玉のりおぢや」プロジェクトが始まったと言っても過言ではありません。しかしデザインの段階でイメージした通りの色を、完成品に完璧に再現すること、隣り合う色の組み合わせで色の境目に出るムダなノイズをどう防ぐかなど、クリアするべき課題がたくさんあって、実際に製作にあたってくだすってる高政織物さんの既存の反物や、テストに作ったものなどを参考にして、実現まで３年あまりという壮大な企画となりました。デジタルプリントなども検討した結果、伝統的な捺染という技法に落ち着きまして。

しかし、すべてがうまく行ったワケではなく、実際あと一色、色違いバージョンを作っていたのですが、すべて同じように処理したにもかかわらずその色だけ途中で染料がにじむというハプニングがあり、泣く泣く１色は諦めることとなりました。

ということで、「slide-スライド-」が完成した時のワタシたちの盛り上がりはエラいことでございました。この柄を商品にできた喜びで、ややおかしなハイテンションになっているかもしれませんが、7/7（水）～13（火）の[玉のり]七夕サマー＠伊勢丹新宿本店７階呉服にて、ぜひお手にとってご覧くださいましね。

slide誕生前、高政織物さん2008年製作の市松柄の縮たち