[玉のり]でご好評をいただいております[玉のり]作り帯の‘あり方’には、
代表ハシヅメノリコの熱い思いがございます。
[玉のり]ウェッブサイト開設以来、あまり語られることのなかったその熱い思いを、ちょいと熱く語ってみたいと存じまする。
ハシヅメノリコがまだ[玉のり]というブランドを立ち上げる少し前に、
1反の洗い張り済みの古い生地をゲットいたしました。
少し弱っていた薄い生地で、柄がとても素敵でございました。
帯にして結ぶには強度がゼンゼン足りなそうでございました。
で、初めて「作り帯を作ってみようか!」と思い立ちました。
それまで、実はワタシはアンチ作り帯派で、心のどこかで作り帯を軽く見ていたのでした。
作り帯って、帯にできない生地でも立派に帯としてよみがえらせることができて、
普通に結ぶ帯なら「ひゃ~、今日は時間がないからキモノはムリ!」
な時でもキモノで出かけられる。
大人の女性が、腕が痛くて上がらない時にでも手軽に装着できるし、
帯結びに今イチ自信がなくても、確実にキレイなお太鼓が出来上がる。
外出先で、激突されてお太鼓をひっかけられてもタレがベロリとなる心配もなくて、
軽くてコンパクトだから、旅行にも楽々持っていける…
初めて作り帯を使ってみて、そんな結論に達してしまったワタシは、
「コレを、広めいでか!」と鼻息も荒く決意いたしました。
その後、[玉のり]を立ち上げて、デザインフェスタvol.16に出展を決め、
作り帯も数点用意いたしまして。
でも、正直なところ売れるかどうか、自信はありませんでした。
だって、自分自身が作り帯に対して最初に持っていたイメージを、
きっと他のキモノ好きさん達も持っておられるだろうと、想像したからでございまする。
フタを開けて…会場では一番反響があったのが作り帯といっても過言ではありませんでした。
沢山のお客さまが作り帯の前に集まって下さって、
ワタシも声が枯れるくらいアッピールいたしました。
一人一人のお客さまに対応しきれなくて、申し訳ないくらいでございました。
それからは、ありがたいことにご好評をいただきまして、
今日に至っておりまする。嬉しい誤算でした。
それでも、ご意見もいただきました。
- お太鼓の大きさを自由に調節できるように作って欲しい
- お太鼓でない他の結び方もできるようにして欲しい
そんなご意見を決して無視するワケではございませんが、
[玉のり]には[玉のり]作り帯に対する強すぎるポリシーがございまして。
そのようなご意見はたいてい、帯を結ぶ「技術」「時間」「体力」などがあって、
フツーの帯も結べるけど…な方向からのご意見でした。
でも、ゴメンナサイ。
そんな場合には、フツーの帯や、お太鼓を作り上げていない二部式帯をお薦めいたしまする。
[玉のり]作り帯は、帯を結ぶ「技術」「時間」「体力」「状況」的に
難しい立場にある方々に、楽しくお役に立てていただくための商品でありたいと思っております。
- いつでも100%確実にキレイなお太鼓ができる。
- 自宅以外でも人ひとり立てる場所があれば生地を床につけることなく装着できる。
- 収納時にかさばらず、無駄な畳みじわを作ることなくフラットになる。
- 外出先で具合が悪くなってお太鼓を外しても、どこも崩れずスマートにバッグにしまえる。
作り帯を使うなら徹底的に簡単便利!
そんな使用感を実感していただくために、出来上がったお太鼓の大きなタレを
エッチラオッチラ、組み立てて、別パーツと縫い合わせてと時間と手間をかけて仕上げておりまする。
かくして、[玉のり]作り帯を自信を持って制作し、販売できることに
とても感謝しておりまする。
もちろん、帯結びのヴァリエーションを楽しみたい時には、
作り帯にこだわらずにフツーの帯で思いっきり楽しめれば素敵でございますね。
拙い文章にも関わらず、最後までおつき合いいただきまして、ホントにありがとうございました!!
2005年6月23日 ハシヅメノリコ
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